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大徳寺の利休忌と月釜茶会

 

言わずともしれたお茶の聖地、京都 紫野にある大徳寺。
訪れたことのある方も多いのではないでしょうか。

 

寺内に塔頭と呼ばれる小院がたくさんあることでも知られています。

 

大徳寺は茶の湯の歴史と深く関わっています。
寺が千利休の木像を楼門の上に安置したとして、その門をくぐる豊臣秀吉の怒りを買い千利休が自刃に追い込まれたという話は有名です(諸説あります)が、その門があるのが大徳寺です。

こちらがその山門で、二階部分は「金毛閣」と呼ばれます。一般公開はしていませんが、現在も千利休の木造が安置されています。

 

旧暦2月28日が千利休の命日のため、大徳寺のいくつかの塔頭では毎月28日に、利休忌の法要と月釜の茶会が催されます。

 

ただ、大徳寺の利休忌と月釜は8月以外の毎月行われているにも関わらず、情報があまりありません。
観光雑誌に載ることも少ないので、観光向けではなく、茶人やお茶に興味がある方に向けてという印象です。

 

 

法要は聚光院で三千家が行う

 

法要は千利休と三千家(表千家・裏千家・武者小路千家)のお墓がある聚光院で執り行われ、三千家が持ち回りで法要を担当します。

 

表千家が1月・4月・7月・10月、
裏千家が2月・5月・11月、
武者小路千家が3月・6月・9月・12月(12月のみ8日)です。

 

法要は午前中に行われ、法要の後にお抹茶をいただくことができますが、釜はかけられていませんのでお点前を見ることはできません。
(追記:武者小路千家の担当月は法要後にお点前があるそうです。)

 

その他のいくつかの塔頭ではだいたい9時〜15時くらいまで月釜茶会があり、どなたでも茶席に入ることができます。

 

月釜茶会がある塔頭

(大徳寺 大慈院)

 

茶会を催しているのは瑞峯院、大慈院、玉林院、三玄院、興臨院の5つの塔頭です。

瑞峯院以外は普段は拝観謝絶のため、月釜は中に入れる絶好の機会ということになります。

お茶券は、それぞれの塔頭の受付で記帳をして購入することができます。

月によって塔頭を担当する流派が変わりますので、お抹茶やお煎茶など、いろんなお茶を楽しむことができます。
流派によって違うのかもしれませんが、表千家の場合は茶席に入ると主菓子とお干菓子両方が出されて、お茶も二服頂くことができます(もちろんお断りしても大丈夫です。何席もまわる場合はたくさん飲めないという方もいらっしゃると思うので)。

 

混み合っている時などは、2席くらい待つこともありますので、時間と心の余裕を持ってお出かけになることをお勧めします。

 

待ち時間には、普段は見られないお庭を楽しんだり、時間をうまく調整して他の塔頭の茶席に入られる方もいらっしゃいます。
月釜のために遠方からお見えになる方も多いです。

 

だいたいどの塔頭でも15時受付終了となるようですが、お待ちになっている方がたくさんおいでだと、ギリギリに受付されてもお席に入れないこともあります。

 

その塔頭やご亭主の配慮によっては、時間が遅くなっても入れることもありますが、亭主側も準備などで朝早くからお忙しくされているため、配慮された方がよい場面もあるかもしれません。

 

無理して何席も入って、お茶とお菓子で気分が悪くなってもいけませんしね。

 

月釜の日が好日となりますように。