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干菓子は「並べる」のではなく「盛る」。お客の時はどこから取ればいいの?実はお菓子にも格があります。

 

お抹茶を頂く時の楽しみのひとつといえば、お菓子ですよね。

 

和菓子屋さんには季節ごとにいろいろなお菓子が並び、目でも口でも楽しめます。

今は主要デパートでほとんど全国の和菓子を購入することができるようになり嬉しい反面、どこかに出かけてお土産にお菓子を買っても近くで同じものが売っていたりして、複雑な気持ちです^^;

 

 

お茶会などに出かけると、お干菓子が出てくる場合と主菓子が出てくる場合がありますが、正式にはお干菓子は薄茶の前に、主菓子は濃茶の前に頂きます。

 

以前お稽古で、水屋でお干菓子を干菓子盆に盛るときについ「きっちり」「揃えて」並べてしまって、先生に注意を受けたことがあります。

 

「お干菓子は綺麗に並べてはだめ。さっくりと自然に盛るように」

 

自然に。。。

簡単なようでとても難しい。

 

単に大雑把に盛り付けただけでは、1つ取った時に崩れてしまうかもしれません。

自然に見えるけれど、取る順番がわかりやすく、最後のひとつになるまで崩れない。というのが理想です。

 

お菓子にも格がある

茶席で出されるお菓子にも、実は格があります。

 

茶の湯において、お菓子の中で1番格が上なのは上生菓子。

お饅頭や練り切り、水無月など水分が多く日持ちしないものがそれにあたります。
お濃茶で多く使われるものです。

 

生菓子には、
大福や草餅などの餅物、練り切りや求肥などの練り物、水ようかんなどの流し物、饅頭や蒸しようかんなどの蒸し物、桃山などの焼き物があります。

薄茶で使われる干菓子とは、水分が少なく乾燥した日持ちするお菓子のことで、落雁や和三盆などの打ち物、塩がまなどの押し物、おこしや金平糖などの掛け物、ボーロや煎餅などの焼き物、有平糖などのあめ物があります。

 

分類的に生菓子と干菓子の間に位置する半生菓子というものもあります。
砂糖漬けやゼリー状の琥珀などがそれにあたりますが、茶席においては干菓子の扱いとなるものが多いです。

 

(全菓連サイトより)

 

干菓子の盛り方は右奥、左手前

主菓子は何種類も盛り合わせることはまずないので問題ないと思いますが、干菓子を菓子器に盛る場合、ある程度の決まりがあります。

 

盛る干菓子が2種類の場合、高さの出るものや格上のもの(麩焼きの煎餅や、打ち物の落雁など)は右奥に盛ります。

 

それ以外のものは左手前に盛ります。

 

それ以上となると、見た目に良いように盛るような感じになると思います。

あまり多すぎると取る方も大変かもしれませんね。

 

お菓子を取る順番は?(表千家の場合)

 

ではお客として茶席に入る場合、お菓子が回ってきたら菓子器のどの位置からとったらいいのでしょうか。

 

主菓子の場合には、基本的には右側のお菓子からとり、最後の客が菓子器の真ん中のお菓子を取るようにします。

 

例えば5つの場合は、下のイラストのような順番になります。

 

お菓子を取る順番は盛り方や流派によっても変わってきますので、師事している先生がいれば、その通りにするのが正しいです。

 

干菓子は何種類か盛り合わせてあることが多いので、崩さないようにゆっくり取り回します。

右奥のものから先に取り、左手前のものを最後に取ります。

 

お客の数より少し多めに盛り合わせていることも多いですが、基本的には1種類ひとつずついただきます。

 

干菓子は菓子器をキャンバスに見立てて盛ってあることも多いので、取る前に全体を拝見すると、お茶席の楽しみが増しますね!