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令和2年1月、大徳寺の月釜に行ってまいりました。

 

先日1月28日に、京都紫野にある大徳寺の月釜にお邪魔してきました。

 

当日は雨が心配されていたものの、1月とは思えない暖かさで、何とか傘をささずにすみました。

1月は聚光院の法要は表千家担当になります。わたしは出遅れてしまったので今回は法要は見送り(写真だけ撮って)、玉林院と大慈院の月釜に参加させて頂きました。

 

参考→大徳寺の利休忌と月釜茶会

 

大徳寺の月釜は、わたしの先生も何度か釜をかけているのでお手伝いにはきているものの、お客としての参加は初めて。
今回は前々からお客として行きたいと思っていたところ、ちょうどわたしの先生が月釜のお手伝いに行かれるということもあって行ってきました。
とはいえ1人でしたので、期待と不安が混じりつつ、という感じでしたが。
1月の平日ということと、天気の怪しさからか人出は思ったよりも多くなく、割とスムーズにお席をまわることができました。

 

いつもそうなのかはわかりませんでしたが(お手伝いに入ると中のことしかわからないので。。。)、五席ある塔頭の月釜は全て表千家のようでした。聚光院の持ち回りの流派に統一されているのでしょうか?

 

 

今回お席に入らせていただいた大慈院と玉林院、どちらもしつらえも素晴らしく、お茶もお菓子も美味しくいただきました。それぞれ主菓子一種とお干菓子二種が出され、お茶も二服ずつ頂きました。お菓子は1月だからか松葉と麩焼きせんべい、主菓子も上用や紅あんのきんとんなど華やかなものでした。

四服のお茶とたくさんのお菓子をいただいたので、わたしは二席で十分満足。時間に余裕はあったけれど、心とお腹が満たされたので、またの機会を楽しみに大徳寺をあとにしました。

 

今回お客として参加して、初めて玉林院の腰掛を通りましたが、敷き詰めてある菊炭がとても美しかったです。どうやってメンテナンスされてるのかしら。普段はビニールシートか何かをかけて、月釜の時だけ外しているのかもしれません。(なんて余計なことを考えたりして。。)

 

お客様は皆さま落ち着いたお着物で、派手な華やかな着物の方がいらっしゃったかと思うとだいたい、お正客をされていたり、席主の先生と顔馴染みだったり、という感じでした。

 

 

茶席と言えば、映画「日日是好日」にもあったように、席入りすると必ずと言っていいほど正客の席が空いていて、「どうぞどうぞ」と譲り合いの世界。
何も知らずに行くと、特に男性や着物の方は大変な思いをするかもしれません。
たまたまわたしが入った席では、後から来られたお着物の方が周りの方の後押しもあって、さっと正客にお入りになり(もちろんその方は席主の先生とお付き合いがある方でした)、席主の先生といろいろな話をされていました。

 

観光客も気軽に入れるような茶席も京都にはたくさんあるので、そういう席では気にする必要も全くないですが、やはり大徳寺の月釜は違うな。。。という印象でした。
大徳寺の月釜の情報が一般にあまり流れないのは、京都でいう「一見さんお断り」という感じなのかもしれません。知らない方が迷い込んで余計な恥をかかないように、という優しさ(?)か。。。

 

 

本来、茶事というのは自分の大切な茶道具を預けてもいいと思えるような親しい間柄で行われるもの。なので客側も、その亭主の心を汲んで参加します。
ところが大寄せの茶会となると、亭主が全く知らない人もたくさんいらっしゃるという事態になり、本来の筋から外れることになります。

 

それでも大徳寺の月釜は、例え知らないもの同士でも、流派が違っても、お茶をやっているもの同士、お茶が好きなもの同士、顔を合わせて一緒にお茶を飲みましょう、というある意味特殊な場なのかもしれないな、と思いました。

 

次回はぜひ違う流派の時期にも参加してみたいと思います。