生きること,  考えること

自然治癒力とは何か?

 

WHOが新型コロナウイルスのパンデミックを宣言してから、もうすぐ1年になろうとしています。

 

いまだ収束の気配は見えず、緊急事態宣言の延長や変異ウイルスのニュースも、不安を煽ります。
情報が錯綜し、何が本当に有効な対策なのかわかりづらかったりもしますね。

 

マスクひとつとっても、布より不織布がコロナ対策には1番良い、ウレタンマスクとの重ね付けがいい、などの話を聞きますが、そもそも不織布だと肌が荒れたり化学繊維にアレルギーがある方は付けられません。
アルコール消毒も、アルコールアレルギーの方には有効ではありません。

万人に効く、万人に良い、というものは多分見つける方が難しいのだと思います。

 

コロナだけでなく、いろんな外敵(病原)に対して言われる対策が、
「免疫力を高めよう」
ということ。
免疫力は、体のバリア機能という表現もされますが、むやみやたらに高めるほど良いというものではありません。免疫機能が暴走すると自分自身の細胞を傷つけることもあるし、異常に強い免疫反応によって起こる病気というのは実はたくさんあります。
もちろん免疫はないと困るものなので、理想は「特定の抗原に対して適切な免疫反応がある状態」ということになると思います。


ということで、今言われるべきは、免疫力というよりは
「自然治癒力(自己治癒力)を高めよう」
ということだと思っているのですが、

では、自然治癒力とは、何でしょうか?

 

誰もが知っている言葉だけど、説明してと言われると難しい。

 

Wikipediaによると、

自然治癒力
人間や動物などの心身全体が生まれながらにして持っている、ケガや病気を治す力・機能を広くまとめて指す表現。手術を施したり、人工的な薬物を投与したりしなくても治る機能のこと。

とあります。


生き物には体外環境が変化しても体内環境を一定の範囲内に保とうとする、生体恒常性(ホメオスタシス)というものが備わっています。
自律神経、ホルモン、免疫などの体を調節する機能がホメオスタシスの核となるところで、それらのバランスが崩れるとホメオスタシスの異常、つまり病気になる、と考えられています。

自然治癒力というのも、「もとの正常な状態に戻そうとする力」とするならば、ホメオスタシスと同じかもしれません。

 

以前、帯津三敬病院の名誉院長である帯津良一先生の講演を拝聴したことがあるのですが、その時に先生がとても面白いことを仰っていました。

「自然治癒力というのは、その『場』のエネルギーのことでもある。
自分が傷ついて養生をする時に、養生する場所に力があるかどうかというのは、
ものすごく大事なことだ。」

 

 

自然治癒力が「自分の中にあるもの」ではなくて、養生する場のエネルギー?

 

初めに聞いた時は不思議に思いました。

でも話を聞いていると、なるほどと思うことばかりで、たしかにその通りだと納得。

 

病気を治すのは、自分。
薬や手術などの治療をしたとしても、結局最後の最後まで自分の病気と向き合うのは、自分なのです。

なので、「自分が気持ち良くて快適」な状態を作ることは、養生する上でいちばん大切なこと。
自分が心地いい温度や湿度、明るさなどの環境の中で、心地いい関係を保てる人達と過ごすということは、健康な時はもちろん、病気をして養生する時にはものすごく大事だということです。

 

好きな服を着て、好きな音楽を聴いて、好きな本を読む。
「身の回りを好きなもので埋める」というのは実はとっても理にかなった健康法だったんだなあ。

自分がご機嫌でいると、自分も健康になるし、周りの人にも幸せをおすそわけできるので、いいことずくめなんだと病院の先生をやっている先輩も言っていました。

 

たまにと言わず、いつでも自分にご褒美を。