日本のお茶,  海外のお茶

わたしたちが日常飲んでいる緑茶や紅茶。台湾の緑茶や紅茶とどう違うの?

 

普段家にいる時に何を飲むか、というのは人によって全然違うと思います。

わたしは「朝はパンと紅茶で、夕食の後は日本茶を飲む」という家庭で育ったのでお茶は身近なものでしたが、家で淹れてまで煎茶は飲まない、ペットボトルでたまに飲む、という方も多いそうです。

 

先日友人宅に立ち寄った時にものすごくびっくりしたのが、コーヒー党の彼女の家にはもちろん煎茶用の急須はなかったのですが、煎茶があったこと。
その未開封の宇治茶の茶缶の裏を見たら賞味期限が2012年、なんと9年前!
(中国茶は好きな方なので、煎茶も中国茶と同じく長期保存がきくと思ったのかもしれませんが。。。
普通は茶葉にも微量の水分が含まれているし、年数とともに風味は落ちると思われます。でも、保管状況によっては、上手く「寝かせた」状態になっていれば極上のお茶になっているかも??
はたまた、真空パックになっていればそこまで問題はないのかしら?
実際のところはどうなのか気になります)

 

中国茶といえば、今まで特に中国茶や台湾茶などに触れてこなかったとしても、烏龍茶や普洱茶(プーアル茶)をご存知の方は多いと思います。

わたしも以前台湾に行った時にいろんなお茶を飲んだのですが、台湾にも紅茶や緑茶があることに驚きました。
(もちろん日本にも和紅茶とかあるので、不思議はないんですけど、緑茶はやっぱり日本のものという印象が強いので、飲んでみてもそんなにピンとこなかった記憶があります)

 

その時から気になっていたのが、
台湾の緑茶って日本の緑茶と違うの?
台湾の紅茶って、日本で私達が飲んでいる紅茶と違うの?
ということ。

 

台湾茶や中国茶では、お茶を発酵度で下の図のように分類します。

(クリックすると拡大します。)

 

茶葉を作る過程で発酵していないものを緑茶、発酵度が高いものを紅茶と呼ぶのですね。

 

先ほどの緑茶に関して言えば、台湾も日本も不発酵のお茶という点では同じですが、台湾緑茶は「釜炒り」(釜で炒って熱を加えて発酵を止める製法)が主流なのに対して、日本の緑茶は「蒸し」(蒸気で加熱して発酵を止める製法)が主流になります。
わたしはずっと日本の蒸し製法の緑茶を飲みなれていたので、台湾の釜炒り緑茶を飲んでも何だかピンとこなかったんだなあ。
ちなみに日本の釜炒り製緑茶といえば、九州の「釜炒り製玉緑茶」が有名です。

とはいうものの、今はあまり販売しているところが多くないようです。
釜炒り茶はたくさんあったので、釜炒り茶のリンクを貼っておきます。
玉緑茶については、後日また別記事でアップしようと思います。

 

さて、以前も記事にした通り、緑茶・紅茶・烏龍茶は全て同じチャノキという植物の葉から作られます。

 

そのチャノキ自体も生息地によって特徴が異なってきます。
例えば温暖な平地で育った茶葉は肉厚になるし、山間部の厳しい気候で育った茶は柔らかく薄い葉っぱになります。

チャノキは大きく分けて中国種とアッサム種があります。
中国種(小葉種)は寒さに強いけれど発酵に向いていないので緑茶向き、アッサム種(大葉種)は寒さには弱いけれど発酵に向いているので紅茶に最適な種類とされています。
更にチャノキは交配種も多く、各地で品種改良がされています。
例えば台湾の紅玉紅茶に使われる「台茶18号」という茶葉は台湾にしかない品種です。
同じ製法でお茶を作っても、茶葉の品種によって仕上がりが全く違ってくるところは、日本酒の酒米と通じるところがありますね。

 

さいごに

ずっと気になっていた日本と台湾の、緑茶と紅茶。

お茶の発酵度での分類は同じだけど、製法や茶葉の育つ場所によって仕上がりが変わるということがわかりました。

特に台湾の緑茶が釜炒り茶だったことは知りませんでした。
というか、「蒸し」で発酵を止める製法でお茶を作っているのはむしろ日本くらいで、世界的には「釜炒り」「焙煎」が主流なんだそうです。これにもびっくり!
お茶に糖分やスパイス・乳製品などを加えないのも日本くらいなんですよね。
当たり前と思っていることが実はマイノリティーなことってけっこうあるんだなあ。

アメリカで販売されているアリゾナティーは日本の緑茶と全然違うしなー。
朝鮮人参とハチミツ入り。
パッケージはオリエンタルで可愛いですけどね。
日本というより中国茶の緑茶のイメージなのかもしれません。

そう考えると、外資系のカフェやスーパーでも、Green teaというとポピュラーなのは中国茶の緑茶なのかもしれないですね。
Matchaといったら日本の抹茶なのかも。

面白いですね!