急須の蓋の穴の向き。本当の本当に正しい位置はどこ?
仕事や作業がひと段落して、お茶で一息つくときって、ほっとしますよね。
ペットボトルのお茶もいいですが、急須で入れたお煎茶だとなおのこと癒されます。
わたしも日々、紅茶やルイボスティー、ハーブティーなどいろんなお茶を淹れて飲みますが、やっぱりお煎茶は飲み飽きることなく、日本人だなあと思います。
ところで急須の蓋には穴が開いていますよね。
蓋の向きはいったいどの向きが正しいのか、ご存知ですか?
わたしの認識は、「注ぎ口と逆側」でした。
先日行った、茶釜でお茶を入れてくれる都内のあるお店でも、そのようになっていましたが、ちょっとこれには違和感。
確かに注ぎ口の逆側に蓋の穴がきてるけど。。。この場合、柄を合わせるのが自然じゃない?
お茶にこだわっている店が敢えてこうしているのなら、やっぱりこっちが正しいのでしょうか?
そもそも、なぜ急須の蓋には穴があいているのか?
なぜ急須の蓋に穴があるかというと、
- 空気が循環して茶葉が動くため
- 注ぐ時に蓋の周りからお茶がこぼれないようにするため
などと言われます。
穴の向きによっては対流がより起こりやすく、お茶がもっと美味しくいただける!と書いてあるサイトもあります。
(これについては後ほど解説します。)
でもお茶屋さんのサイトでも、急須をつくっている窯元ですら穴の位置はまちまちで、急須によってはなんと蓋の中央に穴があるものまであります。
例えばこれ!
京都 晋六釜の「ペリカン急須」。
かわいい!
サイズや色違いもあるようなので、気になる方はチェックしてみてください。
→晋六釜
実験してみました。
実際に蓋の向きを変えてお煎茶を淹れてみました。
電気ポットでお湯を沸かし、条件を同じにするために急須を温めます。
使用した急須はこちら。
小ぶりの急須で、中はこうなってます。
金網が入っているタイプではなく、急須に細かい穴があいています。
では、実験開始!
まずは、湯呑みにお湯を入れてお湯を少し冷まします。
小さじ1杯分の茶葉を温めた急須へ入れます。
湯呑みのお湯を急須へいれて、待つこと1分40秒。
急須を振らずに3回に分けて湯呑みに注ぎます。
結果はこちら!
色も味も、あまり変わりませんでした。
お湯の量が少ないと対流は起こりにくいのかな?
どちらかというと、蓋の穴が注ぎ口側の方が、茶葉が多く湯呑みに入りましたね。
これは対流の方向かなと思います。
あくまでも想像ですが、注ぎ口に近い位置から空気が入ると、急須の中のお湯がいったん注ぎ口と逆側にかき混ぜられてから注ぎ口に向かうため、細かい茶葉がお湯の中で舞って、より急須から出て行きやすいと考えられます。
茶葉がよく舞うので、お茶の色や味がよく出る、ということなんですね。
逆に蓋の穴を遠い方にすると、(空気が入るのでもちろん茶葉は動きますが)大きな流れとしては素直に注ぎ口に向かうため、大きい葉がつまって注ぎ口を塞いでしまい、最後の一滴まで注ぎきれないような気もしました。
どちらにもメリットとデメリットがある。
結果だけを見ると、注ぎ口に近い方に急須の蓋の穴を合わせた方がいいような気もします。
ただこれはあくまでも「しっかりとお茶の成分を出したい場合」。
実際に、急須の中でお湯をかき混ぜすぎると雑味が出やすい、という側面もあります。
少し多めの茶葉でじっくり淹れて、旨味を味わいたいお茶もありますよね。
もしかすると急須の作り手さんも、日常の健康管理にはこの急須、贅沢な時間を過ごすならこっち、というふうに急須を作り分けているのかもしれませんね。