抹茶,  日本のお茶,  茶道,  雑学

お茶の種類と製法について

 

緑茶や紅茶、烏龍茶などは同じ植物から作られていることは、今は多くの方がご存知だと思います。

 

作り方の違いで全く違うものができ、それぞれが世界中で飲まれているなんて、すごいことですね。

 

原料であるチャノキは、もともとは中国南部(ラオス・ミャンマー国境あたり)原産の、ツバキ科の常緑樹です。

(写真:Wikipedia)

 

確かに葉っぱは椿に少し似ていますね。
右下の実の形もユニークです。

 

3回に分けて日本に伝わる

お茶は大きく3回に分けて日本に伝わったと言われています。

  1. 平安期(800年頃)
    当時の人はすでにお茶を煎じて飲んでいたようです。
    平安京の大内裏の図面には「茶園」の表記があったと伝えられています。

  2. 鎌倉初期(1190年頃)
    栄西禅師(建仁寺の開祖)によって伝えられました。
    抹茶の形に近いもので、茶を粉にして湯を注ぎまぜて飲んでいたそうです。

  3. 江戸時代(1600年代後半)
    隠元禅師(宇治黄檗山 萬福寺の開祖)によって伝えられました。
    煎茶の形に近いもので、茶葉を湯に浸してエキスを出して飲んでいたそうです。
    ちなみに、煎茶の祖として名高い高遊外売茶翁(1675ー1763)も、萬福寺で修行をされた禅僧です。

 

緑茶と抹茶の製法の違いは?

緑茶と抹茶は、まず作り方が違います。

 

わかりやすく図にしてみました。

大雑把に説明すると、こんな感じです。

 

煎茶の中でも玉露はまた別格ですが、玉露は抹茶と同じように茶葉に覆いをかぶせて木を育てます。

葉っぱに含まれる旨味成分であるテアニンが、直射日光によって渋みを感じるカテキンという成分に変化するのを防ぐためです。

テアニンは、はお茶の旨味や甘味のもととなる成分で、玉露や抹茶等に多く含まれます。
緊張を和らげて、心身をリラックスさせる効果があります。

カテキンはポリフェノールの一種で、お茶の渋みや苦みの主成分です。
殺菌作用や抗酸化作用、コレステロール値や血糖値を抑えることも有名です。

 

目的や気分で飲み方を変える。

テアニンは低温で、カテキンやカフェインは高温で抽出されやすい成分です。

 

例えば朝の目覚めのお茶や、二日酔いの朝のお茶は高温で淹れてカフェインとカテキンを多めに。

夕方以降はリラックスしたいので、ぬるめのお茶をゆっくりいただく。

なんていかがでしょう。

 

暑い夏には水出しもおすすめですよ。

 

どうぞお茶で素敵な一日を!