【随想】台湾で台湾茶を飲んで、思うこと。
先日、3度目の台湾へ行ってきました。
滞在はいつも台北で、現地では茶藝館に行ったり、台湾茶の勉強をしている友人宅でお茶の飲み比べをさせてもらってのんびり過ごし、夜は夜市へ…というのがだいたいお決まりのルート。
いつも思うことですが、台湾の人はお茶が大好き。
茶藝館では沢山の種類のお茶が選べるし、お茶受けもたくさん。
お湯も何回も足してくれます。
美味しいお茶はそれだけで嬉しいけど、台湾ではその「お茶を飲む時間」をゆっくり過ごすことをとても大切にしているし、それが普通のこと。
なんて贅沢で素敵な文化なんでしょう。
夜市でも、屋台でお酒は売っていないので、飲みたければわざわざコンビニやスーパーで調達しなければなりません。
現地の人たちは純粋に夜ごはんを食べるために夜市に来る人も多いので、「夜市でビールを(買ってきてまで)飲んでいるのは日本人」と言われるそうです。笑
ある日の夜、商店街を歩いていると、シャッターの降りたお店の前にテーブルと椅子を出して話し込んでいるおじさん2人。
よく見ると、2人の間にあるのはお酒、ではなくお茶。
ああ、やっぱり、台湾好きだなあ。
台湾人はお酒を飲まないかというと、もちろんそんなことはありません。
お酒を飲みたい台湾人は基本自宅で、外で飲む場合は居酒屋やバーなどに行きます。
台湾のビールは南国らしい軽い味わいのものが多いけど、最近はクラフトビールも人気だそう。お洒落なお店もたくさんあります。
昔ながらのザ・飲み屋街のお店では、店先に並べてある魚介を調理してくれたり、バドガールのようなお姉さんがビールを注いでくれたりします。
居酒屋も現地の人や観光客でいつも賑わっています。
さて、台湾といえば今日本で大流行りのタピオカドリンク。
台湾発祥のお店も日本にどんどん進出してきています。
現地のドリンクスタンドではタピオカドリンクだけでなくフルーツジュースや仙草なども人気です。
ドラゴンフルーツとヨーグルトのドリンク。
どぎつい色だけど美味しかった!
もちろんお茶の種類も豊富で、日本ではあまりしないですが、台湾ではお茶に砂糖を入れて飲みます。お砂糖と氷(アイスの場合)の量は調節してもらえます。
以前台湾で友人がスタンドでお茶を買ってきてくれて、飲んでみたらほんのり甘くてすごく美味しい。
何これ?とラベルを見たら「青茶」。砂糖入りの烏龍茶でした。
日本では抹茶スイーツや抹茶ラテはありますが、煎茶やほうじ茶にお砂糖を入れて飲む習慣はあまりありません。
(むしろお茶が甘くないから、お茶受けが甘いものでもお煎餅のようなしょっぱいものでも合うのかも。そういえば、海外はしょっぱいお茶受けってあまりないかも?しょっぱいものにはやっぱりお酒なのでしょうか)
日本でも、もちろん地域によって差はあります。
わたしの親は小さい頃に麦茶にお砂糖を入れて飲んだりしていたらしいし、わたしが子供の頃はグリーンティーという甘い抹茶(粉末)を牛乳で溶かして飲むのが大好きだったなあ。
実はお茶を甘くして飲むのは海外ではむしろ普通で、甘くしないでお茶を飲む日本の方が珍しいくらいです。
(例えば、モロッコのお茶!激甘すぎてグラス一杯飲みきれませんでした。。中国緑茶に死ぬほど砂糖を入れてミントをたっぷり入れて飲みます。)
では、どうして日本茶(煎茶)は砂糖を入れないのか?
昔は砂糖が貴重だったというのもあるでしょうが、日本茶は製法と淹れ方次第で甘くなる、というのも一説あるのではないかと個人的には思います。
低い温度で淹れる玉露などは、甘味や旨味が強く、特に旨味は日本茶以外のお茶では味わえないもの。
日本茶は渋味と甘味と旨味が混在するお茶なので、お茶だけでシンプルに楽しむのが1番なのかもしれません。
玉露といえば、中国茶のように小さい茶器でいただくのも特徴ですね。
「飲む」というより「喫する」という表現の方がしっくり来ます。
中国茶は香りを、日本茶は味を楽しむとはよく言ったものです。
また近いうちに台湾再訪を考えていますが、次回は茶器の街、鶯歌にぜひ行きたいと思います!