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【随想】本当に「いいお酒」「美味しいお茶」とは何かを考える。

 

わたしは自分で言うのも何だけれど、相当の酒好きでお茶好きなのではないかと思う。

 

お酒は好きだけど弱いので、本当に嗜む程度。日本酒なら一合でじゅうぶん。
すぐに酔ってしまうので、「美味しいものを少しだけ」楽しめたら、それが自分にとってのベストです。

 

と言っても何でもかんでもは飲めなくて、お酒はもっぱら日本酒とワイン。
いつかバーカウンターで女一人、ウイスキーやブランデーを楽しめるようになれたら素敵だなと思うのだけど、それはまだまだ先の話。。(というか、そんな日が来るのか疑問)

そして、わたしはお酒は好きだけど、仕事後に遅く帰宅したときはほとんど飲みません。
明日は休みだし帰ったらいっぱい飲んで寝ようと思いながら帰っても、家に着くともういいか。。。となって、お酒ではなくお茶を飲んでほっとして、終わり。

仲間からの誘いならもちろん、仕事帰りでも飛んでいくのだけど。

 

お茶も、抹茶や煎茶にほうじ茶、中国茶や紅茶など、いわゆる「チャノキを加工したお茶」はだいたい好きです。マテ茶やルイボスティー、フルーツやハーブのお茶もよく飲むので、家には大体10種類くらいのお茶が常備してあり、気分によって選んでいます。

気が向けばカフェラテや抹茶ラテも作ります。
その時によって豆乳を入れたり黒糖を入れたり入れなかったり、面倒くさいときはミルクフォーマーも使わなかったり。

 

お酒とお茶って、全然違うものだけどよく似ていると思いませんか。

どちらもその場を和ませ和らげて、人と人や作物を繋ぐ。

 

最近よく考える事があって、本当にいいお酒とは何だろう。

 

お酒そのものがものすごく美味しくて、それだけで完成されているものがいいお酒なのだろうか?
それとも食事や肴とのマリアージュが素晴らしいものをいいお酒というのだろうか。

もちろん時と場合によりけりだとは思うけど、杜氏やワインを作る職人の理想とはどんなものなのだろうか、とても興味があります。
彼らの目指すところは何処なのだろう。

 

あるイタリア人は、「ワインを飲んで語らっているうちに、いつのまにかボトルがあいてしまった、というのがいいワインだ」と言います。

 

確かに、お酒を飲みながら話に花が咲いて、ボトルがあくまで気づかないというのは素晴らしい。お酒の美味い不味いで話を中断しなくていいから。不味いお酒で気分を害することもないし、それなりに美味しいお酒は場に花を添えてくれます。逆にお酒自体がものすごく美味しいというのは、それだけでその場の主役をかっさらう威力があるし、そのお酒を一緒に飲めたということも、またいい思い出になると思う。

ただ、単品で美味しいお酒は肴と合わせづらいし(これはお茶も一緒)、何より合わせるのがもったいなかったりするので、みんなでワイワイというよりは1人か少人数で、じっくり酒と向き合って。。。という方がわたしは好きです。

 

個人的には、単品で美味しいお酒も素晴らしいけど、普段は何かつまみながら飲む方が多い気がします。
マリアージュと言えるほどの組み合わせに運良く出会えたら最高。

 

そしてお酒もお茶も、飲み手が場面に応じて選ぶ楽しさがあります。

 

日本酒なら、季節や酒の肴に合わせて冷やか熱燗か、純米かどうか、吟醸かどうか、いや、季節限定のお酒も捨てがたい。邪道と言われるかもしれないけど、炭酸水で割るのもあっさりと飲めていい。日本酒カクテルも、銘柄によって合う肴が変わりそう。

酒器はどうする?夏はやっぱりガラスか、香り高いものならワイングラスもいい。盃もいいし、陶器か磁器か、飲み口の薄さによってもだいぶ味が変わってくる。

お店だと並々注いでくれる、あのビジュアルも大事。

 

知識があれば、楽しめる幅が広がってくる。
それはもちろんお酒に限らず、お茶にも言えることです。

 

とにかく疲れたー、一息つきたいって時には熱湯で淹れられるほうじ茶や番茶、ハーブティーが、考えずに淹れられるのでおすすめ。

煎茶は美味しく淹れるのに温度や時間を気にした方が美味しく飲めるし、初夏にはぜひ新茶を飲んでいただきたい。
煎茶はコーヒーと同じで酸化して味が変わるのが早いので、淹れてすぐに飲むときに。

 

夏は氷水で出すのもおいしいですよ。ピッチャーに氷をいっぱいに入れて、茶葉を入れて冷蔵庫で一晩。早く飲みたいなら、急須に茶葉と氷と水を入れてぐるぐると急須を5分くらい回してから淹れる。甘みのたったおいしいお茶に出会えます。

 

お茶は発酵茶の方が体を温めるので、寒い時期には紅茶や中国茶がおすすめ。寝る前には、三年番茶やほうじ茶、ハーブティーなどカフェインレスのものを。

逆に二日酔いの朝ならばコーヒーや、熱いお湯で淹れた煎茶でカフェインをとるのがおすすめです。

 

でも1番大切なのは、効能効果に惑わされずに「飲みたい」と思うものを飲むこと!
矛盾しているようですが、寒い冬の夜に煎茶が飲みたくなったら飲めばいいし、コーヒーが飲みたいなら飲めばいい。

「飲むべき」と思って飲んでも毒にも薬にもならないので。

 

 

暮らしや生活に応じて変化させて楽しめる。

嗜む、とは、「好んで親しむ」「つつしみの気持ちを持って接する」という意味があるそうですよ。