ひとり暮らし,  雑学

理想は空気がまわる家。現代の住まいには、おしゃれなサーキュレーターがおすすめ。室内の防寒対策も教えます。

 

先日、親戚の引越しの手伝いをしてきました。

 

東京の下町にある、陽の当たらない古い一軒家から、少し田舎のアパートへ。

食器を新聞紙に包んでダンボールに詰め、引越し先で荷ほどきの手伝いもしましたが、その間3日ほどしかあいてなかったのに、食器を包んでいた新聞紙が何だかしっとりしている。。。

長く住んでいる間に隣に家が建ったりして陽が当たりづらくなり、家と家の間も狭いため窓もそんなに開けていなかったからでしょうか。

こんなに湿気がこもっていたのかとちょっとびっくりしました。

 

昔の住まいは夏が基準

 

さて古来から、日本の家は夏に快適につくるのがよしとされてきました。

日本建築について語るとき、誰もが引用する文章があります。

 

「家の作りやうは、夏を旨(むね)とすべし。冬は、いかなる所にも住まる。暑き比(ころ)わろき住居は、堪え難き事なり。」

意訳:家を作るには、夏を快適に過ごせることを考えるべきだ。冬はどこにでも住むことができる。暑い時期に良くない住居は堪え難い事だ。

(吉田兼好「徒然草」より)

 

吉田兼好が鎌倉時代末期に執筆した「徒然草」の中の有名な一節です。

 

「家屋は夏を基準に考えて作る」ということに現代では賛否ありますが、鎌倉時代は、とりあえずそうであったわけです。

当時は今のようにクーラーがあるわけでもなく、冬の寒さは着物をたくさん着ればしのげるけれど、暑さはしのぐにも限界があると考えられ、食べ物が腐りやすくなることも原因のひとつとしてあったかもしれません。

 

鎌倉時代といえば武家社会になり、寝殿造りから書院造りに移り変わるころ。住宅様式も大きく変化を遂げます。

 

武家造りとも呼ばれる書院造りの家は、壁だけでなく襖や障子なような開け閉めや取り外しのできる建具が特徴で、夏は襖を開けたり葦戸(よしど)に替えて風を通すことができます。
庇(ひさし)は長く造られて、直射日光が家の中に入らないようになっています。

まさに夏に合わせた造り。

ちなみに冬は、とにかく着込んで寒さを凌ぎます。火鉢などを室内に持ち込んだり、温石(おんじゃく・石を温めて懐中する。昔のホッカイロ)も用いられていました。

 

(歌川国芳「時世粧菊揃(いまようきくぞろい)」)

 

 

現代の家は冬も過ごしやすい

 

現代は鉄骨や鉄筋コンクリート造の建物が主流になってきています。
コンクリートは熱伝導率が高いため、熱や冷気を吸収しやすい性質もありますが、機密性が高いのでどちらかというと冬場にも過ごしやすい造りになっていると思います。
木造の家でもドアや窓はしっかり閉まるようになっています。
隣の音が聞こえにくいというのもプライバシーを守るのに大事なこと。
昔と今では住環境も全く違いますね。

 

とにかく現代の家は良くも悪くも機密性が高いのが特徴です。
防音性が高いのはいいけど、夏にエアコンをつけっぱなしにしていると、室温をそこまで低く設定していないのに何だか体が冷えるとか、冬はストーブをつけっぱなしにしておくと設定温度よりだいぶ室温が上がってしまったり、なんだか寒いと思ったら換気のためにストーブが勝手に消えてた…なんて経験はありませんか?

基本的に温かい空気は上へ、冷たい空気は下に溜まるので、エアコンやストーブをつけていても足元が冷えたり、ちょっとのぼせたりしてしまうのです。

 

ということは、夏も冬も「風が通る、空気がまわる家」が快適なわけです。

 

空気を循環させて快適な空間づくり

 

そこでわたしがおすすめしたいのが、サーキュレーターです。

 

サーキュレーターを壁に向けて風を当てれば壁沿いに風がまわるので、直接体に風があたらずに部屋の中の空気を循環させてくれます。

 

そもそも、サーキュレーターと扇風機の違いを知っていますか?

見た目は似ているし、羽根を高速で回して風を起こす原理も同じ。
一体何が違うのでしょうか。

 

実は目的と用途が違います。

サーキュレーターは、
・まっすぐ遠くに風を送る。
・空気を動かして循環させるのが目的

扇風機は、
・広範囲に風を送る。
・周りにいる人が涼をとるのが目的

 

部屋の中を全体的に効率よく空気循環させたいなら、夏も冬もサーキュレーターがおすすめです。

 

局所的に暖めたいなら

例えば一人で部屋にいてテレビやパソコンを見るときなど、部屋全体を温める必要がない時もあります。

そんな時わたしがよく使うのが赤外線ヒーターです。

 

今は可愛いデザインのものも多いし、背が高いヒーターなら台所に立つ時にも使えますね。
局所的に暖めたいので風が出ないタイプ、オイルヒーターなどでもいいと思います。

 

普段部屋で床に座ることが多い方にはホットカーペットもおすすめです。

ホットカーペット+ひざ掛け

の組み合わせなら最強!テーブルなしのコタツそのものです。

ひざ掛けがボタンで留められてスカートのように巻けるタイプのものも、そのまま立ち上がって動けるのでかなり役立ちますよ。

 

 

今年も立冬がすぎて、いよいよ冬が始まりますね。

風邪をひいている人も多いですが、体温が下がると免疫も落ちると言われます。

今のうちから体を冷やさない方法をいくつか用意しておくと、動くのが億劫にならずに快適に過ごせると思います。

女子の一人暮らしなら、ベッドのカバーをふわふわのものにするのも見た目があったかくてけっこう気分が上がりますよ^^