日本の行事,  風物詩

もうすぐ冬至。冬至は柚子湯とかぼちゃ、だけじゃない!「運盛り」とは?

 

今年も早いもので、もうすぐ1年が終わろうとしています。

今年の冬至は2019年12月22日(旧暦11月26日)です。

 


冬至は太陽の位置が最も低くなるので1年でいちばん昼が短く、夜が長い日ということになります。冬至は二十四節気のひとつ(22番目)でもあり、暦の上ではちょうど冬の真ん中にあたります。
冬至の日は太陽の力がいちばん弱まる日であり、この日を境にまた太陽の力が蘇っていくので、陰が極まって陽に転ずるという意味の「一陽来復(いちようらいふく)」とも言われ、昔の人々は太陽の復活、生まれ変わりを祝いました。


日本では、夏至の日と冬至の日では4時間半以上も太陽が出ている時間に差があります。

ちなみに南半球は夏なので、逆に昼が長く夜が短くなります。

 

冬至の定番、柚子湯とかぼちゃ


冬至といえばかぼちゃを食べて柚子湯に入る、というのが有名です。

柚子湯は、江戸時代に、江戸の町にある銭湯で柚子を輪切りにして入れた柚子湯を冬至に行ったのが始まりと言われています。
客寄せの意味もありましたが、ひびやあかぎれ、感冒(風邪)の予防にもなっていたそうです。
柚子のように香りが強いものも、邪気を遠ざけてくれるとされていました。
冬至(とうじ)と湯治(とうじ)をかけて、融通(ゆうずう)がきくように、という語呂合わせでもあったとか。江戸っ子らしいですね。

 

(東京銭湯のサイトより。都内の銭湯でも、冬至の日に柚子湯に入れます)

 

冬至にかぼちゃを食べるという風習も、江戸時代から始まったと言われています。
本来かぼちゃは夏の野菜ですが、昔は保存の技術も高くなかったため、秋を過ぎて冬になると食べられる野菜は多くありませんでした。そんな中かぼちゃは長期の保存がきき、風邪や中風(脳卒中)によいとされ、栄養価も高く重宝されていました。


そして柚子やかぼちゃの黄色は邪気を払う色。
昔の人は栄養をとって体を清め、邪気(病気)を払い無病息災を願っていたのですね。

 

冬至にも七種(ななくさ)がある

 

冬至の日に食べるものといえば、かぼちゃの他にも実はたくさんあります。

「ん」のつくものを集めた「運盛り」を知っていますか?
「ん」は「いろはにほへと」の最後の音。物事の終わりを表していて、一陽来復の願いも込められています。
「ん(うん=運)」のつくものを冬至に食べると、太陽が力を取り戻していくように自分の運気も上がると言われていました。

 

(四季彩diaryより)

運盛りは「冬至の七種」とも言われます。
なんきん(南瓜)・にんじん・れんこん・きんかん・ぎんなん・かんてん・うんどん(うどん)。

(はんぺんは加工品だから駄目なのかな。。と思って調べてみたら、上記の七種は「運盛りの野菜」とも言われるそうです。うどんは原料が小麦だからセーフということか?)

 

他にも地域によっては小豆やこんにゃくを食べたりもします。
小豆の赤い色で邪気を払い、こんにゃくは「胃のほうき」「お腹の砂おろし」と呼ばれ体内の砂(毒素)を外に出してくれます。

 

さいごに

冬至は二十四節気では冬の真っ只中、次の「小雪」も「寒の入り」と言われるように寒さの厳しい時でもあります。

年末の慌しい時期、忘年会やクリスマスで街も浮き立つ頃となりますが、冬至の日はちょっと一息ついて、ゆっくりと自分をいたわるのも良さそうです。