玉緑茶(ぐり茶)の魅力
玉緑茶、ってご存知ですか?
日本茶も種類がたくさんあるのですが、玉緑茶は主に九州や静岡で作られます。
その名前の由来は、茶葉の見ため。
冒頭の写真はぐり茶の茶葉。お茶屋さんなどでよく見かけるまっすぐの針状の茶葉と違って、ちょっと丸まっているのがわかりますか?
「玉緑茶」とは製法の過程で、茶葉がくるっと丸まって勾玉状になったお茶で、「ぐり茶」とも呼ばれます。
玉緑茶は「精揉(せいじゅう・茶葉をまっすぐに整える)」という工程の代わりに「再乾(さいかん)」といって、遠心力で茶葉を乾かす工程が入ります。
茶葉を押す余分な力が加わっていないので、出来上がったときにお茶の持つ旨味がしっかり残っています。
渋味や苦みが少なく、コクがあるのが特徴です。
そしてぐり茶には、「蒸し製玉緑茶」と「釜炒り玉緑茶」があります。
こちらはその名の通り、蒸して発酵を止めるのか、釜入りして発酵を止めるのかの違い。
釜で炒ると、釜香(かまか、かまこう)という独特の香りがつきます。
火を入れるので水色は黄色から茶色がかっていて、渋みが少しあり後味はすっきりしています。
今は日本茶というと深蒸し茶が一般的です。日本茶はお茶の発酵を「蒸し」て止める製法が主流ですが、海外では「焙煎」して茶葉の発酵を止めるのが主流。台湾の緑茶も釜炒りで、以前台湾で緑茶を飲んだ時はこのことを知らなかったので、「え、日本の緑茶と全然違う!」と驚きました。
話は戻って、日本のお茶の多くは蒸し茶、しかも針状の茶葉が多い中で、玉緑茶はただでさえ珍しい存在。それに加えて釜炒りのものといったら、本当にあまり売っていなくて探すのが大変でした。
九州とか、産地付近ではもっと日常的にみることができるのかなあ。。
釜炒り茶と蒸し茶を飲み比べて見ました
というわけで、嬉野玉緑茶の蒸しと釜炒りのセットを探してお取り寄せしました!
茶葉はこんな感じ。
蒸しぐりの方が緑が深いです。深蒸し茶とは全く違う茶葉のかたちです。
80℃くらいに冷ましたお湯を注ぎました。お茶の水色も違います。
1分40秒ほど置いて、それぞれ茶こしで別容器に移しました。
水色は釜炒りの方が茶黄色っぽく、蒸しの方が緑がかった黄色、という感じです。
飲み比べてみると、蒸しぐりは甘みがありつつも後味はすっきり。お茶タイムにゆっくり楽しみたいお茶です。すごくリラックスできるので、夜に飲んでもよく眠れそう。
釜炒りぐりは、香ばしさがあとを引きます。実家ではいつも夕食後にお煎茶を飲むのですが、毎年節分の時は、豆まきをした後に、急須に煎茶と豆まきの残った豆を入れてお茶を淹れます。そうすると豆の香ばしさがお茶に移ってちょっと特別な感じになるのですが、釜炒りぐりはその味に近い感じ。
香ばしいんだけど苦くなくて、嬉野茶の甘みも感じる。
どちらのお茶も大変美味しくいただきました。
お茶もお酒も、飲み比べは楽しいなあ。