随想

【随想】こんな時こそ、お茶を。

 

今、世界は大変なことになっています。

 

テレビではコロナウイルスの話題がほとんどを占め、情報が溢れすぎて何が本当なのかわからない。

 

少し前は、外国でアジア人に対する暴言、暴力事件が起きていたのに、今はそのヨーロッパやアメリカが深刻な状況に陥っています。

 

日本では3月29日に志村けんさんがコロナにより亡くなり、世間に衝撃が走りました。
わたしも小さい頃はテレビを欠かさずに見て育ちました。本当に悲しい。。

ご冥福をお祈り致します。

 

 

免疫力を上げれば大丈夫!
という情報もすごく流行っていますね。
間違いではないと思うんだけど、何か違和感。。。
「笑うと免疫が上がる」けれど、「だから笑わなければ」「何がなんでも笑え」では、どうなんだろう?
確かに「笑うこと」は免疫を上げるけれど、「笑わなきゃ」というプレッシャーがストレスになることもある。
そもそも免疫力は上げる下げるというよりも、「常に流動的」であることが大事。
免疫が上がりっぱなしだとまた別の病気になってしまう。

「流動的がいい」というのは、「ある一定のラインをキープしながらも“遊び”の部分がある」ということ。
車や自転車のハンドルやブレーキにも“遊び”といって、少し動かしても作動しない部分があるけれど、遊びがあるからスムーズに運転できる。これって人間にも言えることかもしれません。

 

日本人は真面目だから、「これがいい!」と思ったら「これ以外はダメ!」と考えがち。

でもきっと、選択肢はひとつじゃなくてもいいんじゃないかな。

「あれもいいけど、これもいい」でいいんじゃないだろうか。

 

いろんな要素が重なった結果「免疫力が上がる」んだから、これさえしておけば後は何にもしなくて大丈夫!なんてことはない。
だったら持ち札は多い方がいい。マイナスのカードがあっても、持ち札が多ければカバーできるから。
みんながいいと言っていても、自分がピンと来なかったらそのカードは自分にとってはいらないカードかもしれないから、見極めが肝心になるけれど。
そう思うとこの大変な状況も、「自分で見極める」スキルを鍛えるチャンスといえば、そうなのかもしれないですね。

 

 

 

そして必要以上に自分を犠牲にしないこと、というのもとても大事なこと。

 

日本人は相手を思いやって行動する素晴らしい民族だと思います。
緊急事態宣言が出ていなくても自粛要請があれば、「自分の行動が誰に影響を与えるか?」を考えて不要な外出を避ける人がだんだん増えてきている。
テレビは渋谷の街を映して若者にインタビューをして、若者の軽い回答ばかりを流すけれど、それは若者すべての姿じゃないでしょう。そういう人もいるというだけ。
確かにそういう若者もいるけれど、そういう大人だっている。

 

先がわからない、終わりが見えない不安と戦うのは誰だってしんどい。

 

茶の湯の世界では、客にお茶を出すだけでなく、亭主も相伴するのが本来だ、という考え方があります。
こころを尽くして相手をもてなすということは、「自分を犠牲にして」もてなすという意味ではなく、「自分ももてなしを楽しむ」ということなんだと思います。

そして茶席は亭主まかせではなく、亭主と客で作り上げていくもの。
亭主だけでも、客だけでも成り立たない。
亭主は客を思ってしつらえをし、客はその亭主の心を汲み取ろうとします。

 

お茶の世界に触れると、茶室とは社会の縮小図だなあと感じます。
まさに茶室は戦国の世では政治の場所だったところ。
相手を知ろうという気持ちがないと自分が喰われてしまう危機感もあったと思います。

茶室で例えるなら、現代でも、政治を行う亭主である政治家が、そして客である国民が、お互いを知ろうとしていないのではないかと感じます。

確かに「各家庭にマスク2枚配布」は驚きだけど、有権者が選んだ政治家が行った政策に、ただ批判するだけで、何が変わる?
政治家同士ですら批判合戦。。。

批判するなら、「自分ならこうする」というカードをセットで持たないと説得力ないですよね。

政治家だけでなくわたしたちも、「自分だったらどうするか」をざっくりとでも言えるように考えなくてはいけない場面にきているのだと思います。

 

もうコロナが収まっても、「コロナ前の生活」に戻るのではなく、まったく違う世界に生きるということになるかもしれない、とテレビか何かで聞きました。

その時に自分の考えを持っているか、それを軸に行動できるかどうか、というのは、その後の世界を生きていく上での大きな分岐点になるんじゃないかと思っています。

 

批判だけじゃなくて自分ならどうするか、を考える。
そして予防と対策をしっかりして、後はできるだけ今までの生活を送る。
というのを心がけたいと思います。

 

そして、こんな時こそいつもより丁寧にお茶を煎れて飲もうと思います。

 

個人的には、「朝20分の軽い運動が人生を変える」とメンタリストの方がYouTubeで言っていたので、それもやろうと思います。
さっそく今朝、ベランダでヨガをしましたが、背筋がすっと伸びてとても気持ちがいい。
外出自粛中の今は、普段忙しくてできない〜!っていうことをやるにはいいですね。
女性なら自分メンテナンスを、出かける予定がなくてもやるチャンスかも。
大変な状況にいる人たちもいる中で申し訳ない気持ちを持ってしまう人もいるかもしれませんが、いざっていう時にパッと動けるように身体と気持ちを整えておくことも、とてもとても大事です。

 

どうかこれ以上被害が広がりませんように。

 

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