台湾茶旅:茶器の街「鶯歌」へ
前回台湾を訪れたのは、2019年10月。
4ヶ月ぶりにまた台北に行ってきました。
前回の旅→【随想】台湾で台湾茶を飲んで、思うこと。
今回は正真正銘のお茶旅。
台湾在住で台湾茶を勉強している日本人の友人と、文字通り朝から晩までお茶尽くしの旅をしてきました。
台北市内には、台湾茶が楽しめる茶藝館や窯元の支店、老舗のお茶屋さんなど、お茶スポットがたくさんあります。昼休憩や、夜に店を閉めた後、外のテーブルでお酒、、ではなくお茶を飲みながら語らう現地の人もよく見かけます。
ちなみに中国茶と台湾茶の違いは、というともちろん産地の違いなのですが、実は烏龍茶といえば中国より台湾の方が主流です。烏龍茶と言えば鉄観音や凍頂烏龍茶が有名ですが、鉄観音は中国、凍頂は台湾の烏龍茶です。
台湾の烏龍茶は、焙煎の度合いにもよりますが黄金色、日本の浅蒸し茶のような色です。
香りも、日本人の私たちが思いうかべる「烏龍茶」とは全く違います。烏龍茶でもなく緑茶でもない、不思議な香り。花のようでもあるけれど、どぎついわけでもなく、青くさいわけでもない。なんともいい香りなのです。
さてさて、今回はずっと行きたかった茶器や陶磁器の街、「鶯歌(おうか、インガ、Yingge)」へ、やっと!行ってきました。
鶯歌は台北駅(台北車站)からは快速電車で30分くらい、とても行きやすい場所にあります。
電車を降りると、駅構内には巨大な急須が。「全国最大茶壺」と書いてあります。
茶壺(チャフウ)というのは急須のことです。
持ち手も装飾も素敵!
鶯歌駅から歩いて10分くらいのところに「鶯歌陶瓷老街(インガタオツーラオジェ)」という、陶磁器屋さんが立ち並ぶエリアがあり、器好きにとってはまさに天国。
駅から鶯歌陶瓷老街に向かう途中にももちろんお店が点在しているので、到着する前にもいろいろ目移りしてしまいます。
駅から歩いてくると、こんな感じで鶯歌陶瓷老街が見えてきます。
異国感たっぷりの街並み。
おしゃれな陶磁器屋さんと、昔ながらのザ・卸問屋という感じのお店が混在し、歩いているだけでも楽しい。
有名な安達釜のお店など、まるでギャラリーのようなディスプレイをしているところも多かったです。
午後になると人が増えてきたので、じっくり品物を見たいなら午前中から行くのがおすすめ。
だいたい10時からお店が開くところが多いです。
油滴天目の茶杯もけっこうありました。
買おうか本当に悩んだけれど、これだけあるとかえって「これ!」という決め手に欠けてしまい、結局買わず。
これで日本酒を飲んだら最高に美味しいでしょうなあ。
本当にたくさんの陶磁器があって、眺めているだけでも幸せ。
ディスプレイの仕方もおしゃれ。
なんてかわいい茶托!
茶器を乗せている木の台も素敵で、台ごと全部欲しかったです。
ふらっと入ったお店の二階に続く階段の横の壁。
割れた器を埋め込んでオブジェに!
こちらはなんと竹の茶器セット。
珍しい〜!
どれくらい持つのかなあ、お茶を入れていたら変色も早そうだしなあ、贅沢だわ〜。
下の写真はけっこうどぎつい色の茶器セットに、、、右手前は勾玉の茶壺!?茶杯の形も斬新です。
茶壺が2つあるように見えるのは、ひとつは茶壺(急須)でもうひとつは茶海(チャカイ)といって、ピッチャーの事です。
急須でお茶を煎れたら、ピッチャーに全部中身を移して全体の濃さを均一にしてから、茶杯(湯呑み)に注ぎ分けていただきます。
蓋付きのピッチャーが欲しくて探しましたが、意外とあまりありませんでした。
鶯歌には茶器だけでなく陶磁器のお皿や箸置きからどでかい壺まで、とにかく陶磁器なら何でもあります。
ただ、何故か茶藝館はほとんどありませんでした。
ひとつの建物に数店舗のテナントが入っているモールもいくつかありましたが、コーヒースタンドやレストランはあるのになんで茶藝館がないんだろう。(スタバだってあるのに!)
どこの店の茶器を使うかとか、いろいろ事情があるのかしら。
安達釜のお店ではお店の茶器でお客さまにお茶を煎れていたし、お店で出せるからっていうのもあるのかもしれません。
実際わたしたちも、柴焼を作って売っているおじさんのお店で蜜香紅茶の試飲をさせてもらったのが、鶯歌で飲んだ唯一の台湾茶でした。(茶葉も販売していた)
蓋碗でもなく、茶葉とお湯を茶杯にガサッと入れて出してくれました。笑
(飲みづらかったけど)美味しかった〜!ごちそうさまでした。
台湾のお茶を台湾で作った茶器で、台湾でいただく。
ああ、贅沢だなあ。素敵な時間でした。
今日も鶯歌で買った茶器で、台湾のお菓子と台湾茶をいただきます。