茶こぼしってなに?これが正しい使い方!
昔ながらの旅館や温泉宿に行くと、お部屋にお茶を入れる道具一式がありますよね。
移動や観光を終えて、宿に着いてほっと一息するときに、部屋にある茶道具を使ってお茶を入れて飲む方も多いと思います。
宿によって茶櫃や茶箱など、茶道具を入れる箱も違ったりして面白いですね。
お茶も最近では、茶筒にティーパックが入っていたり、個別梱包のお茶を用意しているところもあります。
茶こぼしとは?いつ使うもの?
お茶セットの中にある、穴の開いた見慣れない入れ物。。。
これが「茶こぼし」です。
建水、ともいいます。
建水というと、お茶をされている方ならピンとくるかもしれませんね。
灰皿と間違えて使われてしまうこともあるらしく(かわいそう。。。)、もとから蓋を外してある旅館もあります。
さて、この茶こぼし、いつどうやって使うかと言うと、部屋でお茶を飲む時に、
- 急須や湯呑みを温めたお湯を捨てる。
- お茶を淹れた後、急須に残った茶湯を捨てる。
(二煎目も美味しくいただけるように) - お茶を飲んだ後、急須に残った出がらしの茶葉を捨てる。
(新しい茶葉を入れてまた飲めるように)
だいたいこんな感じです。
3.の時には穴の開いた蓋は外して、茶葉は中に入れます。
蓋に穴があいている理由としては、
- お湯を捨てるときは、そのまま捨てられるので蓋をあける手間が省ける。(もちろん蓋を外して捨ててもOK)
- 茶葉を捨てる時は蓋を開けて中に捨てれば、見た目がきれい。
ということだと思います。
ちなみに、急須の茶葉は全部きれいに捨てる必要はなく、多少残ったところに次の茶葉を足して入れても大丈夫です。
参考記事→旅館の客室にあるお茶の美味しい淹れ方。
お茶の時間をもっと楽しく
お茶の世界では、急須に茶葉とお湯を入れてお茶が入るのを待つ時間も、大切な人との時間と考えます。
抹茶道や煎茶道で、道具をお客の前に持ち出して目の前でお点前をするのは、「亭主自らがお客さまのためにお茶を点ててお出しします」という、もてなしの心の表れです。
建水があれば、いちいちお湯や茶葉を水屋に捨てにいかなくても場の雰囲気を保ったまま、お客さまみんなにお茶を出すことができます。
家庭や旅館ではもっと気楽に楽しめるお茶ですが、茶こぼしが旅館の部屋にあるのは、
「お客さまがみんなで同じ空間でお茶を飲み、くつろいでいただけるように」
ということなのかもしれません。