日本絵画,  浮世絵,  美術館めぐり

北斎づくし@六本木ミッドタウン・ホール

 

こんな時期ではありますが…

 

六本木ミッドタウン・ホールで開催中の、北斎づくしに行ってまいりました!

 

今回のタイトル「づくし」のとおり、北斎の数ある作品の中でも有名な「北斎漫画」全巻公開が目玉の展示会。
タイミング良く友人からお誘いを受け、迷いましたが行ってよかった!

 

 

webチケットを提示して、検温と消毒をして、
展示室に入った瞬間に、思わずわあっと声を上げてしまいました。

(タップすると拡大します)

 

壁も床も、文字通り北斎づくし!
この布、カーペット、欲しい〜!
天井からはそれぞれの巻から抜粋された見処の垂れ幕が。

 

今回の「北斎づくし」の見どころは、何といっても全十五巻の北斎漫画。全十五巻の全てが一度に見られるなんて、今まであったのかしら。
北斎漫画は、いわゆるストーリーがある漫画ではなく、沢山いるお弟子さんにむけて描いた絵の指南本だそう。
全十巻で一度は完結しましたが、好評のあまり続投、十四巻は没後に出されたもの。最終巻の十五巻は明治に入ってから出版され、お弟子さんの絵も入れられたそうです。

なんといっても、そのボリュームといったら!動物に人間に、建築物に物の怪まで。森羅万象を描き尽くすという言葉のとおり。最終巻にたどり着く頃には目が回りそうでした。北斎漫画から目を離しても壁も床も北斎。流れている音楽というか、音が妙にマッチして不思議な空間。

 

 

北斎漫画に女の人が描かれていると、その顔はいわゆる浮世絵の顔で、あ、そうだった、北斎はこういう絵も描く人だった!と思うほど、絵の世界の真行草の描き分けがすごかったです。

 

個人的にこの頁の右上、後を向いて座っている動物がすごく可愛かった。鹿?
こんなに少ない筆数で、老若男女を描き分けるのもすごい。

 

この右頁の木の箱の木目も美しくて、ついパシャリ。

 

写真は撮り忘れましたが、版画の初摺りと後摺りの違いが並べて展示されていたのも面白くて良かった。

 

 

有名な富嶽三十六景も、それだけでは富士山を描き足りなかったのか、その後に富嶽百景を描いています。
冨嶽三十六景の赤富士や大波は、日本のアイコンとして世界中で有名ですね。

 

途中には版画の制作動画や、北斎アニメーションコーナーもあり、最後までとても楽しかったです。

 

 

読本の挿絵も描いていたとは知りませんでした。
こちらも挿絵の世界が部屋中に!すごい迫力でした。
この人の描く波は本当に凄い!

 

まさに文字通りの「北斎づくし」な時間でした。
でも実際彼の描いた作品はもっともっとたくさんあると思うと。。。一生突き詰めて追い続けてまだ終わりが見えなくて、志なかば、といっても、大往生。
無念だったのでしょうか、幸せだったのでしょうか。
彼自身を描いた映画などの作品もたくさんあり、どれだけ作品も人柄も愛されていたのか、そして今もなお愛されているのがよくわかります。

わたしも北斎漫画をお手本に、絵の手習でも始めてみようかな。