初風炉の茶花
5月に入り、茶の湯の世界では風炉の季節となりました。
炉の季節には多く用いられる椿も、風炉になると姿を消し、床に入る花は枝物ではなく草花が多くなります。
5月は端午の節句があるので菖蒲や杜若(かきつばた)なども拝見する機会が多いですが、表千家では、というか、わたしの通う教室では先生が「このお花を見ると初風炉って感じるわね」と仰って、毎年大山蓮華を床に生けられます。
大山蓮華【オオヤマレンゲ】
モクレン科モクレン属に分類される、落葉広葉樹の低木。
和名の由来は、奈良県南部の大峰山に自生していて、蓮の花(蓮華)に似た白い花を咲かせることから。
地元の奈良県天川村の「村の花」でもあるそうです。
別名は深山蓮華(ミヤマレンゲ)。
床に飾ると、葉の付き方や丸い蕾が椿とよく似ているなあと思っていましたが、モクレンやコブシの仲間なんですね。
利休が愛した花で、「利休七選花」の1つに数えられています。
うつむき加減に花が咲き、その清楚な純白の花姿から「森の貴婦人」とも呼ばれます。
大山蓮華は「真・行・草」の中で、最も格が高いとされる「真」の花。
贅沢なことにわたしの通う教室では、社中の方が大山蓮華を育てているので、毎年この時期に見ることができます。
なのでわたしにとっては「初風炉の花」というイメージが強いですが、風炉の時期と言えば、先述したように、枝物より軽やかな草花が多いように感じます。
花は野にあるように
いろんな花が出てくる季節は心躍りますね。