水を使わずに手を清める。塗香のススメ
最近はコロナの影響で神社やお寺に行っても手水が使えなくなっているところが多くあります。
使えなくなった手水舎にお花を入れる花手水も、最近はいろいろな神社で見られるようになりましたね。
これは見た目も美しく心躍るし、花業者さんが廃棄せざるを得ないお花を使っているところもあるようで、すごくすごくいいアイデアだと思います。
(RETRIPより)
とは言え、手水が使えなくなると、参拝の際に手や口を清められなくて困りますよね。
こんな時期だからこそお詣りに行きたいと思っても、何となく手水がないと、素通りして本殿で手を合わせるのも申し訳ないような気持ちになってしまいます。
アルコールで手指消毒はしても、なんだか味気ないような。。。
そんな時におすすめしたいお清め法が「塗香(ずこう)」。
文字通り、塗るお香、火を使わない粉末状のお香です。
塗香は仏教で使われるお清めの道具で、儀式の前に心身を清めるために使われます。
密教では、仏を供養して仏前に捧げる「六種の供物」の1つに塗香があります。
塗香は香木や漢方に用いられる植物を粉末状にして調合したものなので、植物そのものの自然な香りです。
香水のようにずうっと香りが続くわけではありません。
塗香、前から欲しかったのですが、探すと意外と売っていないのです。
たまに見かけても、あまり好みでない香りだったり。
都内や関東近郊のお寺などでも、あまり見かけません。
京都とかだと、けっこうあるんだろうけどなあ。
餅は餅屋、というわけで、銀座にあるお香専門店 香源さんに行ってきました。
ショッピングサイトもあるので、店舗に行かなくてもお買い物ができます。
ここは数種類塗香があると聞いていて、嗅ぎ比べてみたかったので実際にお邪魔しました。
わたしが購入したのはこちら。
「極上」の塗香と、黒檀の塗香入れ。
白檀や桂皮がベースになっていてとても落ち着く香りです。
個人的にははじめはすっきり、あとにほのかにニッキの甘さが残るような香りでした。
その人の体臭によっても香りが変化するそうですよ。
香源さんには、他にも線香や練香、パフで付けられる塗香(画期的!)なんかもあって、香り好きの方にはおすすめ!
香木の説明なんかもたくさん展示してあって、楽しかったです。
〈参拝の際の塗香の使い方〉
1,塗香をほんの少し(耳かき1~2杯程度)手にとり、手の平を擦り合わせて広げる
2,塗香が付いた指先を眉間(心眼)・口元にそっと触れるようにして清める
が基本(宗派などによっても変わってきます)。瞑想や写経の前にも使われるそうです。
うちは猫が同居なので、アロマが使えない(猫の肝臓は精油成分を解毒できないため、植物の薬効が凝縮されている精油を使うのは危険です)のですが、塗香なら少しは大丈夫かな。
・・・と思い、しらべてみましたが、
実はデータがあまりないそうなので、お香も「安全」とも「危険」とも言えないそうです。
白檀などには猫に有害な成分(リモネン)が含まれているというサイトもあり、猫の手の届くところには保管しないことがおすすめです。
でもお寺には猫がいるイメージだけどなあ。風通しがいいから大丈夫なのかしら。
どちらにしても、使う人間側がちゃんと知識をもって、気を付けたいですね。
ともあれ、とりあえず次回のお詣りには、塗香を持って出かけたいと思います!